カメラ脱初心者!「逆光」を使えば簡単にダイナミックな写真が撮れる!

こんにちは、ポクくん(@poku_kun)です。
「写真はきれいなのだけど、なんか普通で面白くない」「素人が撮ったような感じがする」というのは、カメラを始めたばかりの初心者にはあるあるじゃないでしょうか。実は、カメラを始めて3年以上になる僕でも、そういうことばかりで、どうしたら普通ではない面白い写真を撮れるのかということをいつも考えています。


いろいろ試行錯誤する中で気づいたのは、あえて「逆光」を狙ってみることで、簡単に普通でない迫力のある写真が撮れる!ということです。実際僕の場合、たくさんの撮った写真の中から、気に入った写真をいくつかピックアップしてみると、半分以上が逆光の写真だったりします。
そこでこの記事では、カメラ初心者向けに、逆光とは何なのか?、どんな風に逆光を使うと効果的なのかなどについて、実際の写真をたくさん交えながら詳しく紹介していこうと思います。
逆光を使うと簡単に迫力ある写真を撮れる!
はじめに、逆光とは何なのか?、逆光を使うとどんな写真が撮れるのかなどについて詳しく紹介していきます。
順光と逆光とは
写真撮影などをしていると「順光」や「逆光」という言葉が登場します。特に逆光という言葉はよく聞いたことがあると思います。この言葉は被写体への光のあたり方の違いを表しています。
ここでいう「光」とは、一番強い光源のことですが、日中外で撮影するなら、太陽だと考えればOKです
順光とは被写体の正面に光が当たる状態です。撮る人から見れば背中側に光源があります。一方逆光とは、順光の反対で、被写体の裏側から光が当たる状態です。撮る人から見れば正面に光源があります。ちなみに、被写体の横側から光が当たることをサイド光(側光)といったりもします。
順光や逆光について、分かりやすくまとめてみたのが、次の図です。


順光の写真はきれいだけど、個性がない
よく言われるのが「順光が一番よくきれいに撮れる」ということです。確かに、順光で写真を撮ると、色や形がはっきりと正確に描写されます。見た目のままはっきりと記録したいような集合写真やスナップ、風景などの撮影では、特に順光で撮影されることが多いように感じます。


しかし、順光の写真のきれいというのは、光の明暗差が小さくて単調で、面白みには欠けるきれいとも言えます。順光の写真は現実をありのままに描写できる分、誰が撮っても同じような写真になるし、没個性的な写真になりがちです。また、明るさを変えてみたり、コントラストを強くしてみたりというカメラの設定や編集上の工夫もしにくいような写真です。
そのため結果として、順光で撮った写真というのは「なんか普通で面白くない」「素人が撮ったような感じ」という風になることが多いです。


もちろん順光の写真が駄目ということではなくて、被写体をありのままに活かすような撮影や記録写真なんかでは、順光が向いています。撮りたい写真やシーンに合わせて、いろいろな方向から写真を撮ってみるのがベストだと思います。
逆光の写真はとにかくダイナミック!
順光の写真と比べたとき、逆光の写真の特徴は明暗差が大きくて、とにかく迫力があります! 言葉ではなかなか伝わりづらいと思うので、実際に逆光だとどんな写真が撮れるのかという作例をいくつか紹介します。
夕日や朝日は一番かんたんに撮れちゃう逆光の写真だと思います。真っ赤な太陽と長く伸びる黒い影とのコントラストを活かすことで、めちゃくちゃ印象的な写真になります! また、晴れた日に見られる太陽の赤色から空の青色の色のグラデーションも迫力があります。


黄金に色に輝く空・波と橋の影とのコントラストが美しい


きれいなグラデーションが見られるのも逆光の特徴
日中の場合、朝や夕方に比べて逆光の明暗差は更に大きくなるので、極端に写真を明るくする、あるいは暗くすることで印象的な写真になります。いろんな写し方ができて、自分なりのオリジナルの写真を作りやすいのも逆光の特徴です。
僕的には、木の葉っぱや建物などの隙間から差し込む太陽を撮るのがお気に入りです。このとき、後で紹介するテクニックを使うと、次の写真みたいに差し込む光がキラッとした光条になってかっこいいです。


魚眼レンズの画角の広さと逆光は特に相性が良い!
とにかくダイナミックに写すことができるのが、逆光の写真の良さです。光の明暗を活かした撮り方をすることで、オリジナリティのある個性的な写真も撮りやすく、「素人が撮ったような普通の写真」を簡単に避けられます!
逆光を効果的に使って写真を撮る方法
逆光を使うと迫力ある写真が撮れるということを紹介しましたが、何も考えずに実際に逆行を撮ってみようと思うと少し難しいです。しかし、いくつかのカメラの設定や機能を使うだけで、簡単に逆光を効果的に生かした写真を撮れるので、その方法を紹介していきます。
白飛び、黒つぶれを抑えるか、逆に活かすか?
白飛びとは写真が白く明るくなりすぎること、黒つぶれとは写真が真っ黒に暗くなりすぎることです。写真に写しきれる明るさには上限と下限があって、その範囲を超えてしまうことで、白飛びや黒つぶれが発生します。
逆光の写真は明暗差が大きいので、白飛びや黒つぶれが発生しやすいです。白飛びや黒つぶれがあると、写真がスッキリとしない印象になることも多く、それが逆光を撮る上での難しさだったりします。


そこで、逆光を撮るときに使いたいのが、逆光を効果的に見せる2つの方法です。1つ目は、コントラストを下げることで白飛びや黒つぶれを抑えて写真を撮る方法。2つ目が、あえて白飛びまたは黒つぶれを残して、それを活かす方法です。それぞれについて、これから詳しく紹介します。
明暗差を抑える設定で白飛び、黒つぶれを防ぐ
風景などを撮影する場合に、特におすすめしたいのがコントラスト(明暗差)を抑えて白飛び、黒つぶれを防ぐ方法です。逆光でコントラストを下げた写真は、暗い場所から明るい場所までがギュッと凝縮されている感じがして、とてもインパクトが感じられます。


それでは、写真のコントラストを下げて、白飛びや黒つぶれを抑えるには具体的にどうしたらいいのでしょうか?
スマートフォンを使って撮影する場合、HDRモードを使うのがベストです。HDRモードとは、瞬間的に明るめの写真と暗めの写真を数枚撮って合成する機能で、白飛びや黒つぶれを抑え、より広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を簡単に表現できます。
最近のスマートフォンはこういった画像処理技術が非常に優秀で、簡単に本格的な一眼と同等かそれ以上の写真が撮れます!
一眼レフやミラーレスカメラで撮影する場合は、階調補正機能を使うのが簡単です。カメラのメーカーによって、その機能の呼び名は違いますが、どれも白飛びや黒つぶれを軽減させる効果を持っています。HDR機能と違って、一枚の写真を処理することで実現している機能なので、動いているものの撮影にも対応しています。
- ソニー / Dレンジオプティマイザー
- キヤノン / オートライティングオプティマイザ、高輝度側・階調優先
- ニコン / アクティブD-ライティング
- パナソニック / インテリジェントDレンジコントロール
- オリンパス / ハイライト&シャドウコントロール
- 富士フイルム / ダイナミックレンジ
- ペンタックス / Dレンジ補正
僕の愛用しているNikonの場合アクティブD-ライティングという名前ですが、逆光のシーンに限らず、整った絵を出してくれるようになるので、常時ONにしています。個人的には、一眼レフやミラーレスカメラを使う場合には基本的にONにするべきだと思う機能の一つです(初心者ならなおさら…!!)。
【上級者向け】RAW現像で自由自在に明度差を変える
少し上級者向けですが、白飛びや黒つぶれの具合を自分で操作したい、あるいは写真の色味を大きく変えたいというような場合は、RAW現像をおすすめします。
ここでの詳しい説明は避けますが、RAW現像は普通の画像編集の上位版みたいな感じです。RAW画像は通常のJPEG画像に比べて、豊富な情報量を持っていて、白飛びや黒つぶれを後から補正することもできます。下の画像は夕日をRAWで撮影して、後から現像した例ですが、通常のJPEG画像では考えられないぐらいの高度な補正が可能です(通常の画像の編集では、ここまできれいに補正することは難しい)。


RAW現像には専用の現像ソフトが必要でハードルが高く、初心者にはなかなか難しいかもしれません(ちなみに僕はLightroomを使っています)。ですが、写真の仕上げにこだわりたい、自分好みの風味の写真にしたいという方には是非チャレンジしてみてほしいです!
白飛びや黒つぶれを逆に活かす!
逆光の写真を印象的に見せるもう一つの方法が、あえて白飛びや黒つぶれを作ることです。明暗差の大きい逆光の写真は、明るめに撮ることで白飛びが起き、暗めに撮ることで黒つぶれが生じます。白飛びや黒つぶれは悪いもののように思われることが多いのですが、それは間違いで、上手いバランスで白飛びや黒つぶれを起こさせることで、写真はずっと個性的で印象的なものになります。
例えば、夕日や朝日を撮る場合、暗めに撮ることで被写体やその影のシルエットが強調されます。




他には、曇りの日の日中はあえて明るめに撮影することで、背景を白飛びさせて、被写体を浮き立たせるということも可能です。


写真を明るくしたり、暗くするには露出補正を使います。+方向に露出補正すると、写真は明るく、-方向に露出補正すると写真は暗くなります。いろんな明るさを試してみて、これだと思える明るさを探してみるのがポイントです。
特に逆光は、正解と言えるような明るさがないので、いろいろな露出を試してみるべき! いろいろ試しながら個性的な写真を撮れるのが逆光の魅力です。
f値をあげて、光条を出そう
最後に一つ、逆光を撮るときに頻繁に使える技を紹介したいと思います。一眼レフやミラーレスカメラ限定ですが、太陽のような強い光を撮るときには、キラッとした光条を出すことができます。光条があるとより一層、写真が印象的になるので、使いこなせると便利です。


光条は写真の良いアクセントになる!
きれいな光条を出すには、いくつか条件があるのですが、一番のポイントは絞りを絞る、つまりf値を上げることです。光条のでやすさはレンズによって違うのですが、f値を20ぐらいまで上げると、ほとんどのレンズできれいな光条が見られます(僕の感覚なので、お使いのレンズで実際に試してみてください)。
カメラ初心者向けにもう少し詳しく解説すると、カメラのレンズには絞りという機構があり、開いたり絞ったり(閉じたり)することで、光の取り入れる量を調節することができます。その絞りがどれだけ絞られているのかというのを示すのをf値といいます。f値はカメラの絞り優先モード(AモードまたはAvモード)を使うことで、その値を自由に操作できます。
他には、白飛びしないように暗めに撮ること、そして木の葉や建物の隙間から差し込む光を狙うのもポイントです。光条は逆光での撮影だけじゃなくて、夜景の撮影にも、よく使えるテクニックなので、是非使いこなしてみてください!


ただし、f値を上げることで写真は暗くなるので、三脚は必須です
逆光を使って写真を撮る方法まとめ
最後に、この記事の内容を簡単にまとめておきます。
- 順光の写真は単調で没個性的
- 一方で、逆光の写真は明暗差が大きくて迫力がある
- 逆光の写真は明暗差を抑えて、白飛び、黒つぶれを抑える
- あえて白飛び、黒つぶれを利用してもOK!!
- 強い光を撮るときは、f値をあげて、光条を出そう
今回はカメラ初心者向けにということで、書きたいことがたくさんあって、結構長くなっちゃったのですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。簡単に迫力ある写真を撮れる逆光の良さとか、逆光の効果的な撮り方などを伝えられたのじゃないかと思います。
途中にも書きましたが、決して逆光が優れていて、順光の写真が駄目ということはなく、シーンに応じて順光や逆光などを使い分ける事が大事だと思います。写真の撮り方を引き出しを増やして、それを使いこなせるようになると、「脱初心者」できると思います。逆光を引き出しの一つとして身につけて、初心者から脱出しましょう!
いろいろ視点や条件を変えながら、試行錯誤して撮るのが写真の醍醐味だと思います!
ちなみに、写真を撮る上でのテクニックを更に知りたいという方は、写真家の上田晃司さんの「完全版 デジタル一眼 撮影テクニック事典101+」という本を絶対に持っておきましょう! 写真を撮るときの引き出しが全てと言っていいぐらい網羅されている上に、作例も多くて分かりやすいです。僕は写真を始めるときにこの本を買ったのですが、初心者にはもちろん、中級者以上が読んでも役立つ内容も多く、実際に今でも時々読んでは参考にしています。
完全版 写真がもっと上手くなる デジタル一眼 撮影テクニック事典101+ 写真がもっと上手くなる101シリーズ
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